小豆はむくみと解毒の薬

漢方での小豆の効能

 

 

小豆は漢方ではむくみと解毒の薬として利用されています。小豆の薬効についても古くから知られているもので、江戸時代初期に中国の本草書から得た知識をもとにして作成された和歌食物本草では「赤小豆こそ甘酸よく平毒なし、水を下して熱を冷ますなり」と記載されていて、小豆の煎じ汁や小豆粥がむくみや解毒に効く漢方薬として昔から利用されていたのがわかります。

 

京都の伝統的な食習慣でも、10日に一度小豆を食べて水毒を出すという言い伝えがあります。この小豆のむくみや便秘などを解消する作用は、理論的考えてみると、小豆の成分中のサポニンとカリウムによるものとされており、カリウムには血液中のナトリウムと調整をして余分な塩分を尿として排出する作用がありますし、サポニンは水分の代謝を高くして、体内の水分バランスを調節する働きがあるので、理論的にもかなっているのです。

 

小豆のお茶などはほのかに甘く香りよくおいしいお茶ですが、確かな利尿作用があります。便秘解消、代謝を促す成分の方は、小豆を茹でると100g中11.8gの食物繊維が含まれるようになり、そのうち11gが不溶性食物繊維ということで、この不溶性食物繊維が腸の中で水分を保持して便を柔らかくし、排便しやすくなります。更に前述のサポニンにも緩下作用があって、便秘解消にはじつに役立つわけです。